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涼やかな浮雲がひとつ
ほどなくまた顔を上げると、跡形もない
静かな空がそこにあるだけ

「時代」という幻想もそういうものかもしれない
人々を熱狂させた栄光も、混乱に引きずり込んだ戦火も
いつのまにか幻になる
現実は音もなく去っていく

しかし束の間の忘れ形見がある
人々が作ったもの
美術品、民具、生活調度品、建築物
それらを通して私たちは消えたはずの時代に触れ
そこに生きた人に出会う
そして美しさ

生身の人間の思惑が介在しないそのものたちは饒舌に物語る
時の概念を超越した生命の 人間の本質を

私たちが扱うものは
古今東西を問わず、生活空間に命を吹き込み
同時に調和をもたらす
日常に寄り添い、静けさを与えてくれる

 
そういうものでありたいと考えています
 
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