非常に珍しい「小壺」と名状したくなる形のローマングラスです。1〜2世紀のシリア近辺の作品だと思われます。暗褐色の地に経年の自然現象で生み出された銀化の虹彩が見事なコントラストを描き、魅力を際立たせています。全体が銀化しているものも時にはありますが、個人的には本品のように詫びた風合いと色彩が同居するものにより深い美しさを感じます。手に取るとわかりますが、胴部には微妙な襞文があり手の込んだ作りであることがわかります。無傷完品。
寸法　高さ：86mm 胴幅：80mm 口径：59mm